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文鳥と亜鉛中毒症

スキマに亜鉛が無いか見てきたぶん先生
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トップ画像:スキマに亜鉛が無いか見てきたぶん先生(@_aiyu_bun)

人間の家庭には数多くの金属製品があり、その防錆加工として亜鉛メッキが一般的に利用されています。

亜鉛が文鳥の体内に蓄積されることで、消化器系の障害や神経症状、溶血など様々な症状を起こし、急性に死亡することもあります。

文鳥はとても好奇心旺盛な鳥ですから、「うちの子は金属に興味ないから大丈夫」と思っていても、知らない間に亜鉛を摂取してしまっているかもしれません。

放鳥時には目を離さないことが重要です。

亜鉛中毒症の原因

亜鉛は金属の防錆加工のため、メッキとして一般的に利用されている金属です。

鳥が亜鉛を含む物や亜鉛メッキの破片を飲み込んだり、長期間に渡って舐めたり咬んだりして、体内に亜鉛が蓄積されると中毒症を起こします。

亜鉛メッキには鉛が含有されているため、鉛中毒症を併発することがあります。

亜鉛中毒症の症状

急性の場合、膨羽や食欲廃絶、体重減少、食滞、嗜眠などの症状が見られます。止まり木にとまることができなくなり、浅い呼吸を伴いながら床に座り込んでしまう様子も見られるでしょう。また、血液中では溶血(赤血球が壊れること)が生じ、緑がかった下痢や血便を起こします。貧血を起こすこともあるでしょう。やがて、筋肉を動かす神経の協調が取れなくなって運動失調を生じ、発作や横転などが見られ、死亡します。

慢性の場合、断続性の嗜眠や嚥下困難、抑うつなどの症状を見せるでしょう。多尿を生じて脱水状態になるため、水を頻繁に飲むようになります。また、毛引きとの関連も指摘されています。

亜鉛は肝臓や腎臓などに蓄積されるため、これらの臓器の疾患を伴うことがあります。

亜鉛中毒症の予防

文鳥が亜鉛を含む物を舐めたり咬んだりしないようにすることが重要です。

亜鉛は主にメッキに含有される形で人間の日用品に利用されています。いくつか具体例を挙げると、次のようになります。

  • ケージの金網のメッキ
  • ネジなどの金具のメッキ
  • 5円硬貨
  • 500円硬貨
  • ホチキス針
  • 金属製のオモチャ
  • 金属タワシ
  • 塗料
  • 肥料

このように、亜鉛は様々な物に使われているため、亜鉛を使った製品を完全に排除することは現実的ではありません。

したがって、「ながら放鳥」をやめて、文鳥から目を離さないようにすることが重要です。放鳥する際に文鳥ときちんと向き合うことは、亜鉛中毒症以外にも様々な事故の予防につながるほか、コミュニケーションの質を向上させることにつながります。

こちらを見るぶん先生

画像:飼い主がよそ見してないか気になるぶん先生(@_aiyu_bun)

ところで、上にも例示したように、金属製ケージの金網には亜鉛メッキが施されていることがあります。

国内の鳥用ケージメーカーとして有内なHOEIのケージにも、亜鉛メッキが使用されています。下記の商品の詳細を見ると、「銀色メッキ」を施してあることが明記してあります。

ただし、HOEIの公式ホームページによると、HOEI製のケージでは亜鉛メッキの後に三価処理を施してあるため、無害であると説明されています。

三価処理、あるいは「三価クロム化成処理」とは、有害な6価クロムを含有せずに従来のクロメート処理と同等以上の耐食性が得られる処理で、特に従来型処理の課題であった加熱時の耐食性低下が抑制されている点に特徴があります。

とは言え、クロメート処理は亜鉛メッキの後処理として行われるものです。長年利用したケージでサビが認められるものや、一部のメッキが剥がれているものは、そこを文鳥が舐めたり咬んだりすることによって亜鉛中毒症を起こす可能性があります。ケージの清掃をする時に、サビやメッキ剥がれが起きていないかチェックしましょう。

より安全なケージを求めるのであれば、下記のようなステンレス製のケージを利用するという方法もあります。

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